【新唐人日本2011年9月14日付ニュース】9月10日は中国の“教師の日”。伝統文化の中では、知識人は社会道徳の継承者として尊敬されてきました。しかし、27回目の教師の日を迎えた今、ある若い女性教師が驚きの言葉を放ち、物議を醸しています。
有名大学の二つの学士号を持っていると自称する杭州の女性教師。ブログに書いた言葉が話題となっています。“売春婦になっても、教師にはなりたくない。バッシングは覚悟している。生徒たちが見たらどんな反応を示すか分からないが、許してほしい。「天才は1%にプラス99%の汗」なんて、童話の世界の話。現実が教えてくれたのは、いかに開き直れるかということ。”
この女性教師はこのように自分の日常を述べています。“毎月2000元の給料。住まいはベッドと机以外何も置けない小さな一間。電気代節約のため、汗だくになっても扇風機を我慢して、毎日やりくりしている。”
北京の元教師・王さん。ご主人は北京大学の教授です。若い頃、研究結果を他人に盗まれたことがありますが、そのご主人の格言は “教師への選択は貧しさへの選択”。しかし今、拝金主義の風潮の下、中国では教師が職業道徳を守るのも難しくなっています。
北京の元優秀教師・王さん
「今は金銭を求めるため、多くの教師は補習や金儲けなどを自分の目的としています。多くの父兄や生徒から言われていますが、授業では実質のものを教えません。それは補習の時にしか教えないからです。昔 教師は魂のエンジニアとされ、次世代の魂を作り上げる存在でしたが、今はそれから遠くかけ離れています」
お金があるのは決して悪いことではありませんが、社会の価値観が金銭に傾くと、それは悲劇にほかなりません。雑誌“北京の春”の胡平編集長は、今の中国社会は、価値観が捻じ曲げられ、教師が職業道徳を貫くのも難しいと嘆きます。
雑誌“北京の春” 編集長 胡平氏
「教師は中国の伝統の中では非常に尊敬される職業でしたが、今はその名誉が
汚れています。原因は主に二つあります。一つは 教師の待遇と関係あります。次は 中国の現状下で、このような状況で、教師は人を導く役割を果たしにくい、教育界も他の業界同様ひどく汚染されています。なのでこの環境の中で正しく振舞うのも容易ではありません」
アメリカ・ジョージメイソン大学の章天亮教授は、昔の教師は学問や技能を教える以外、“道”を伝え、人間にとって最も大切な“道徳”を教えていたと述べます。しかし今の中国では、教師は科学技術以外何も教えません。これも道徳が急速に下落した原因であり、教師が尊敬されなくなった原因だと指摘します。
米ジョージメイソン大学教授・章天亮氏
「共産党自身がまさに腐敗堕落した。乱れた犯罪集団なのです。子供に対する政治教育の際、このようなイデオロギーを子供の頭に注ぎ込むのです。このように成長した一代は中国伝統文化とは完全にかけ離れています。共産国家の一部の専門家や学者は中国の伝統文化を完全に捻じ曲げて解釈しています」
ある教師はブログにこう綴りました。“中国社会、中国の教育制度は教師に誇りを感じさせない。大金を払わされた生徒や親は、学校や教師に対し、感謝の気持ちはない。その上、生徒からお金を貪り取る教師がいるため、教師に対する嫌悪感はなおさらエスカレートする。しかし、まともな教師は、反抗する生徒や低い給料に直面してもどうしようもない。自分の子供にさえこの職業を見下される時、ただただ自分のちっぽけさを嘆くしかない。”
新唐人テレビがお伝えしました。